手摺・架台・壁下地など小さな強度計算でお困りの方へ│有限会社アクト

その手摺はもつか?

手摺の強度計算-1

下図は手摺の図面です。
※画像をクリックすると大きくなります。

A図が断面図・B図が姿図・C図が計算の為の略図です。
(図の寸法は mm です。)

屋上パラペットに後施工の打ち込みアンカーで固定する手摺です。

図面からの与えられた条件は以下となります。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◆手摺の高さ(アンカーから手摺先端までの高さ)=76cm

◆支柱の間隔                 =120cm

◆支柱の材料                 =St ○-34.0φx2.3t

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

この計算では、手摺の強度とアンカーの強度の2つの検討が必要です。

今回は、手摺の強度を検証します。

一般に手摺にかかる外力は、人が押す力を想定します。
そこで、人が押す力はどれくらいでしょうか。

日本建築学会・JASS13によれば、
集合住宅、事務所ビルなどの標準的建築物の
バルコニー・廊下の部位に対する水平荷重を

980N/m としています。

今回は、この荷重を採用します。

1mあたりに、980N の力がかかるわけです。

さらに、支柱の間隔が120cmですから、支柱1本にかかる力は

980N/m × 1.2m = 1176N となります。

以上からこの手摺には、

1176 N の力が、上端部に水平にかかります。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

ここまでの状況を略図にすると、C図となります。

図中の 40mm は、アンカー芯からベースプレート下端までの寸法です。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

ここで、計算に必要な数値を下に示します。

◆支柱 St ○-34.0φx2.3t の
 
 断面2次モーメント(I)   =2.892cm4

 断面係数(Z)        =1.701cm3

◆支柱先端にかかる水平荷重(P)=1176N

◆片持ち距離 (L)       =76.0cm

◆鉄材のヤング係数(E)    =20500000 N/cm2

◆鉄材の曲げ許容応力度     =23500 N/cm2

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◆曲げモーメント(M)の計算

 M=1176N × 76cm = 89376 Ncm

◆断面の検討

 σ=M/Z = 89376 Ncm / 1.701cm3 = 52543.2 N/cm2

52543.2 N/cm2 > 23500 N/cm2

許容応力度を上回る応力が発生するので、この手摺は不可です。


◆たわみの検討

 σ=PL3/3EI = 2.90cm = 2.90/760
   (3乗)

 2.90/760 = 1/26 > 1/100

 たわみに関する基準はありませんが、通常1/100程度をめあすとしています。

 その基準から言えば、たわみでも不可となります。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

ここまでの計算をアクトWebアプリで行ってみます。

【応力算定】の画面を開きます。

下図が入力画面です。

※画像をクリックすると大きくなります。

左側の各項目をチェックします。

◆梁の種類  ◎片持ち梁

◆荷重の種類 ◎集中荷重

◆長期・短期 ◎短期

◆材質     スチール

右側の各数値を入力します。

◆荷重(P)       :1176 N

◆断面2次モーメント(I):2.892cm4

◆断面係数(Z)     :1.701cm3

◆長さ(L)       :76.0cm

入力したら【計算】ボタンをクリックします。

下の窓に結果が表示されます。

※画像をクリックすると大きくなります。

計算結果を手計算の場合と比べてみて下さい。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

さて、計算は、NGとなりました。

それではどうすれば良いか? 以下は次回に。

*AutoCADは米国Autodesk社の米国および他の国における商標または登録商標です。

*Windowsは米国Microsoft社の米国および他の国における商標または登録商標です。

*その他、記載の社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

建築金物の施工図・小さな強度計算

有限会社アクト

岐阜県各務原市前渡西町6丁目47番地